2019年はキャピタルロス、いわゆる損が20万円ほど出してしまいましたが、その最大の失敗が、パイオニアです。
どうなったかというと
実に年間損失額の1/3です。
購入価格と売却額はこちら。
ほぼ半値ですね。
ちなみにパイオニアは経営が悪化し、最終的に香港の投資ファンドの傘下に入り、2019年3月末に上場廃止になっています。つまり、上場廃止ぎりぎりまで保有していたことになります。
実は購入してからしばらくして経営悪化のニュースが出て、間もなく株価が急落しています。
★のあたりで購入していますが、どんどん株価が下がっていきますが、何ら対処を打ちませんでした。正確に言うと、対処の仕方が分かっていませんでした。理由は2つあります。
1つ目の理由:損切りのタイミングが分からない
経営状況の悪化に関するニュースが出て株価がどんどん落ちていくのですが、どこかで下げ止まるかもしれない、と思ってしまっていました。株投資の指南では、「損切りの自分ルールを作りましょう」などと書かれているケースが多いですが、 そもそも初心者は損切りができない事が多いと思います。これは単純に「自分の失敗を認めたくない」からであり、「いつか上がるだろう」という根拠もなく自らを洗脳しているに過ぎません。
さらにパイオニア株はNISA口座で購入していたこともあり、損益通算ができない事は理解していましたので、含み損のまま置いておいた方が得策と判断してしまっていました。
2つ目の理由:そもそも上場廃止とは何のか理解していない
株価が急落した後、しばらくすると香港の投資ファンドが支援し、結果として上場廃止となることが発表されます。それを見ても、即行動に移すことができませんでした。そもそも上場廃止に至るプロセスを理解していませんでした。上場廃止となることが発表された際、「1株当たり66.1円をパイオニア社から支払われる」という案内もあり、 その頃の市場価格が62円~65円くらいで推移していましたので、 そのまま持っていて66.1円で買い取ってもらった方が良いか、と思い、そのまま保有を続けました。
さて、いよいよ上場廃止となる直前、楽天証券からこんなメールが届きました。
66.1円で買い取る内容は理解していましたが、その次。
「 なお、売買最終日までに売却をされなかった場合は、特定口座やNISA口座の適用を受けることができなくなります。」
「 また、譲渡所得については、お客様ご自身で一般株式等(=非上場株式等)の譲渡所得として確定申告することが必要となります。 」
先述のとおりNISA口座で購入していましたので、確定申告せよ、ということでさらに面倒なことになりました。
失敗から得た教訓
結果的に上場廃止直前に滑り込みで全株式を売却したわけですが、結果としてそれなりの損失を出すことになりました。この結果から得た教訓ですが、
・損切りのルールを作る
これは色んな指南書にあるとおりですが、最初にルールを決めておくことが重要だと思いました。よくあるのは「購入価格のxx%下落したら損切りする」ですが、基本的に下落したからといって全て損切りする必要はないと筆者は考えています。経験上、半年以上かかって株価が戻ってプラスに転じて売却益が出たケースもあります。そもそもデイトレーダーではないサラリーマン投資家は、日ごと時間ごとの変動についていけませんし、ついていく必要はないと考えます。
筆者の考えでは、「倒産するかもしれない」となった場合は、「迷わず売却」です。
・NISA口座で個別株は買わない
NISA制度は譲渡益や配当などにかかる税金がかからないことがメリットですが、 筆者の失敗ケースのとおり損益通算ができないので、損を出したくない心理が強くなる傾向があると考えます。また、年間の投資できる枠が決まっているため、購入する対象の見極めが難しく、個別株投資には向いていないと筆者は考えます。
・株取引の基本的なルールを知る
今回の例では上場廃止に関する認識不足がありましたが、そもそも株取引のルールをほぼ知らないままに投資を始めた方も多いと思います。今回の例では中小株でもあり大損というまでではないですが、ちょっと知っているだけで少しは損を減らせたはずです。市場にはサラリーマン投資家がどうやっても太刀打ちできないプロの証券マン、海外の投資家、加えてAIなどもいます。一歩遅れた感覚でも、数十歩数百歩も遅れていきますので、対処は早いに越した事は無いです。
以上が2019年で最も損を出したパイオニア株のケースです。
ちなみに余談ですが、パイオニアは音響メーカーですが、筆者は同じ2019年に同じく音響メーカーであるオンキョー株でも損を出しています。またパイオニアはカーナビでも有名でしたが、実は2019年はパイオニアを含むカーナビ大手3社が倒産や合併などで上場廃止になっています。
筆者はどちらもユーザーでもありましたので、そういったところで心理的な影響があったかもしれません。
本内容が皆さんの損を減らすことができれば幸甚です。